国土交通省 国土技術政策総合研究所、国立研究開発法人 建築研究所

8. コージェネレーション設備の評価方法

コージェネレーション設備の一次エネルギー消費量算出ロジックを示す。

8.1 はじめに

8.1.1 適用範囲

計算の対象とするコージェネレーション設備は、次のように定義する。

  1. ガスエンジンタイプで排熱を温水で取り出すもの。

    • 排熱を蒸気で取り出すものについては、温水を取り出すものとみなして計算してもよいこととする。

    • ガスタービン、燃料電池、ディーゼルエンジンは入力対象外とする。

  2. 複数台設置の場合、同機種、同発電出力のもの。

    • 発電出力が異なる複数のコージェネレーション設備が混在する場合は、台数には実際に設置された台数を入力し、発電出力には平均値を入力してもよいこととする(同じ発電出力のものが複数台導入されると想定)。また、発電効率、排熱効率には、各コージェネレーション設備の定格発電出力で重み付けして平均した値を入力してもよいこととする。

  3. 同一系統に対して電気・熱が供給されるもの。

    • 複数系統に対して電気・熱が供給される場合は、代表的な系統を1つ選択し、その系統に電気・熱を供給するコージェネレーション設備のみを入力してもよいこととする。

      • コージェネレーション設備の排熱を利用して冷熱を製造する熱源機の定格冷却能力(kW)とコージェネレーション設備の排熱利用系統と同じ系統に属する給湯機器の定格加熱能力(kW)の合計値が最大となる系統を代表的な系統とする。

  4. 発電電力及び発生排熱が全て自家消費されるもの。

    • 発電電力、発生排熱が外部に供給される場合は、全て自家消費するシステムとして評価してもよいこととする(発電量は電力需要以下で制御され、余剰排熱は放熱するとして計算される)。

  5. 電主運転の制御がなされるもの。

    • 熱主運転の場合は、電主運転とみなして評価してもよいこととする。

  6. 排熱利用先が、省エネルギー基準における一次エネルギー消費性能の評価対象であるもの。

    • 融雪及び凍結防止用、循環加温用(浴場施設、温水プール)、雑用水利用(食洗器、洗濯機用等)など、エネルギー消費性能の評価対象外の設備に排熱を供給する場合は、これらには排熱が供給されないものとして評価してもよいこととする。

8.1.2 引用規格、文献

  • [1] JIS B 8122:2009コージェネレーションユニットの性能試験方法

  • [2] JIS B 8622:2009吸収式冷凍機

  • [3] 九州大学大学院人間環境学研究院住吉研究室、株式会社 住環境計画研究所:平成29年度建築基準整備促進事業 業務用コージェネレーション設備の性能評価手法の高度化に関する検討調査報告書、2018年3月

  • [4] 空気調和・衛生工学会:空気調和・衛生工学便覧14版(5計画・施工・維持管理編第17章「表17.6配管の保温厚」参照)、2010年4月

  • [5] 平成25年住宅・建築物の省エネルギー基準解説書編集委員会編:平成25年省エネルギー基準に準拠した算定・判断の方法及び解説 I非住宅建築物(第2部第4章「表2.4.2配管の線熱損失係数」参照)、国土交通省国土技術政策総合研究所 独立行政法人建築研究所、2013年5月

  • [6] 空気調和・衛生工学会:都市ガスによるコージェネレーション評価プログラム―CASCADEⅢ Ver.3.2―、2013年7月

8.1.3 用語の定義

  1. CGS

    業務用コージェネレーション設備の本体をいう。

  2. CGSの定格発電出力

    CGSの定格運転時の発電量をいう。(JIS B 8122に規定される性能試験方法による)

  3. CGSの発電効率(定格時、負荷率0.75時、負荷率0.50時)

    CGSの特定の負荷条件下(定格時、発電負荷率0.75時、発電負荷率0.50時)での発電効率をいう。(JIS B 8122に規定される性能試験方法による)

  4. CGSの排熱回収効率(定格時、負荷率0.75時、負荷率0.50時)

    CGSの特定の負荷条件下(定格時、発電負荷率0.75時、発電負荷率0.50時)での排熱回収効率をいう。(JIS B 8122に規定される性能試験方法による)

  5. 排熱利用優先順位

    暖房機器・冷房機器・給湯機器のそれぞれに排熱を投入する順序(1位~3位、または投入しないのいずれか)をいう。

  6. 排熱投入型吸収式冷温水機

    CGSの排熱を、冷熱製造の熱源の一部として利用する吸収式冷温水機(冷凍機)

  7. CGS補機動力

    業務用コージェネレーション設備を動作させる際に使用する本体制御盤や放熱ファン等の補機消費電力、温水循環ポンプ、冷却塔ファン、冷却塔ポンプ、ヒーターなどの消費電力をいう。

  8. CGS補機動力比率

    CGSの発電量に対するCGS補機動力の割合をいう。

  9. 排熱投入型吸収式冷温水機の排熱利用時のCOP

    排熱投入型吸収式冷温水機を投入する排熱のみで運転した際の運転効率(COP)をいう。
    \( \frac{ \mbox{ 冷凍能力 [kW]} }{ \mbox{排熱投入量 [kW]} } \)

  10. CGSによる電力負荷の最大負担率

    CGSが発電により賄う対象となる建物の日積算電力消費量のうち、逆潮流防止等の観点からCGSの出力抑制が働くことを加味した上でのCGSから供給することが可能な電力負荷の割合をいう。

  11. CGSの最大稼働時間

    CGSが間欠運転する場合の1日の最大運転時間をいう。

  12. 建物の運用時間帯と非運用時間帯の平均電力比

    建物を運用していない時間帯における平均消費電力に対する運用している時間帯の平均消費電力の比をいう。

  13. 発電効率補正

    機器カタログに記載の発電効率(JIS B 8122に規定される性能試験方法による測定値)の補正値

  14. 排熱の熱損失率

    CGSから得られた排熱のうち、配管表面等から放出される熱量を除いた利用できる排熱の割合をいう。

  15. 排熱投入型吸収式冷温水機の排熱利用可能率

    排熱投入型吸収式冷温水機の一次エネルギー消費量のうち排熱により代替可能な割合をいう。

  16. 排熱投入可能量

    排熱が十分に得られた場合に、排熱利用機器(暖房機器、冷房機器、給湯機器)において利用できる排熱の最大量をいう。

  17. 負荷率

    CGSと排熱投入型吸収冷温水機の負荷率の定義は以下の通りである。
    CGS:\( \frac{\mbox{発電出力[kW]}}{\mbox{定格発電出力[kW]}} \)
    排熱投入型吸収式冷温水機:\( \frac{\mbox{処理熱量[kW]}}{\mbox{定格冷房能力[kW]}} \)

  18. 有効発電量

    CGSの発電量から補機動力を除いたものをいう。

  19. 有効排熱回収量

    CGSから回収された排熱回収量のうち排熱利用機器にて消費された熱量の総量をいう。

  20. 排熱利用量

    排熱利用機器(暖房機器、冷房機器、給湯機器)において利用された排熱の熱量をいう。

8.1.4 計算の流れ

本計算方法は、コージェネレーション評価プログラムCASCADEⅢ での計算の考え方を参考に、日単位の負荷データから計算する手法に展開し、実働性能を評価するためのパラメータ等を加えて構築したものである。

評価の流れを下図に示す。エネルギー消費性能計算プログラム本体で得られる電力消費量や暖房・給湯負荷などの日別の計算結果を受け取り、それに基づいてCGSの運転状態を決定する。エネルギー消費性能計算プログラム本体では、一旦CGSからの電力や排熱が全く得られないものとして電力、冷房、暖房、給湯のエネルギー消費量を計算を行う。 本プログラムでは、入力された負荷の状況などから電力、冷房、暖房、給湯のそれぞれの項目でどれだけの一次エネルギー消費量が削減可能か、およびCGSでのガス消費量を計算する。最終的には、エネルギー消費性能計算プログラム本体で計算された電力、冷房、暖房、給湯の各エネルギー消費量からCGSによる削減量を差し引き、CGSによるガス消費量の増分を考慮すれば、建物全体でのエネルギー消費量が計算できる。

評価の流れ
図 1. 評価の流れ

8.1.5 入力値

8.1.5.1 CGS仕様に関する入力値

プログラムに入力するCGSおよび排熱投入型吸収式冷温水機の設定値一覧を以下の表に示す。

表 1. 入力
変数名 説明 単位 参照先

\(E_{cgs,rated}\)

CGSの定格発電出力

kW

様式7-3

\(N_{cgs}\)

CGS設置台数

様式7-3

\(f_{cgs,e,rated}\)

CGSの定格発電効率(低位発熱量基準)

無次元

様式7-3

\(f_{cgs,e,75}\)

CGSの負荷率0.75時発電効率(低位発熱量基準)

無次元

様式7-3

\(f_{cgs,e,50}\)

CGSの負荷率0.50時発電効率(低位発熱量基準)

無次元

様式7-3

\(f_{cgs,hr,rated}\)

CGSの定格排熱効率(低位発熱量基準)

無次元

様式7-3

\(f_{cgs,hr,75}\)

CGSの負荷率0.75時排熱効率(低位発熱量基準)

無次元

様式7-3

\(f_{cgs,hr,50}\)

CGSの負荷率0.50時排熱効率(低位発熱量基準)

無次元

様式7-3

\(n_{pri,hr,c}\)

排熱利用優先順位(冷熱源) ※1

無次元

様式7-3

\(n_{pri,hr,h}\)

排熱利用優先順位(温熱源) ※1

無次元

様式7-3

\(n_{pri,hr,W}\)

排熱利用優先順位(給湯) ※1

無次元

様式7-3

\(C_{24ope}\)

CGS24時間運転の有無(有/無)

-

様式7-3

\(q_{AC,link,c,j,rated}\)

排熱投入型吸収式冷温水機jの定格冷却能力

kW/台

様式7-3

\(E_{AC,link,c,j,rated}\)

排熱投入型吸収式冷温水機jの主機定格消費エネルギー

kW/台

様式7-3

\(N_{AC,ref,link}\)

CGSの排熱利用が可能な系統にある排熱投入型吸収式冷温水機の台数

様式7-3

※1 0~3までの整数。入力シートで空欄である場合は「0」とし、これは対象用途に排熱を利用しないことを表す。 また、\(n_{pri,hr,c}\)、\(n_{pri,hr,h}\)、\(n_{pri,hr,W}\) のいずれか一つは「1」でなければならない。

8.1.5.2 日別入力値(他の設備の計算結果の読み込み)

他の設備の計算結果より次に示す値を読み込む。これらの値の算出方法は 附属書G.10 に示す。

表 2. 入力
変数名 説明 単位 備考

\(E_{AC,total,d}\)

日付dにおける空気調和設備の電力消費量

MWh/日

※1

\(E_{AC,ref,c,d}\)

日付dにおけるCGSの排熱利用が可能な排熱投入型吸収式冷温水機(系統)の冷熱源としての主機の一次エネルギー消費量(冷熱源が複数ある場合は合計)

MJ/日

※2

\(mxL_{AC,ref,c,d}\)

日付dにおけるCGSの排熱利用が可能な排熱投入型吸収式冷温水機(系統)の冷熱源としての負荷率(冷熱源が複数ある場合は定格冷却能力で按分する)

無次元

※2

\(E_{AC,ref,h,hr,d}\)

日付dにおけるCGSの排熱利用が可能な温熱源群の主機の一次エネルギー消費量(温熱源が複数ある場合は合計)

MJ/日

※2

\(q_{AC,ref,h,hr,d}\)

日付dにおけるCGSの排熱利用が可能な温熱源群の熱源負荷(温熱源が複数ある場合は合計)

MJ/日

※2

\(E_{V,total,d}\)

日付dにおける機械換気設備の電力消費量

MWh/日

※3

\(E_{L,total,d}\)

日付dにおける照明設備の電力消費量

MWh/日

※4

\(E_{W,total,d}\)

日付dにおける給湯設備の電力消費量

MWh/日

※5

\(E_{W,hr,d}\)

日付dにおけるCGSの排熱利用が可能な給湯機(系統)の一次エネルギー消費量(給湯機が複数ある場合は合計)

MJ/日

※5

\(q_{W,hr,d}\)

日付dにおけるCGSの排熱利用が可能な給湯機(系統)の給湯負荷(給湯機が複数ある場合は合計)

MJ/日

※5

\(E_{EV,total,d}\)

日付dにおける昇降機の電力消費量

MWh/日

※6

\(E_{PV,total,d}\)

日付dにおける効率化設備(太陽光発電)の発電量

MWh/日

※7

\(E_{M,total,d}\)

日付dにおけるその他の電力消費量

MWh/日

※8

\(T_{AC,c,d}\)

日付dにおけるCGSの排熱利用が可能な排熱投入型吸収式冷温水機(系統)の運転時間(冷熱源が複数ある場合はその中の最大値を採用する)

h/日

※2

\(T_{AC,h,d}\)

日付dにおけるCGSの排熱利用が可能な温熱源群の運転時間(温熱源が複数ある場合はその中の最大値を採用する)

h/日

※2

\(f_{eopeHi}\)

建物の運用時間帯と非運用時間帯の平均電力比

無次元

※8

※1 空気調和設備の計算結果。全熱交換機、二次ポンプ、熱源主機、熱源補機、一次ポンプ、冷却塔ファン、冷却塔ポンプの合算値とする。
※2 空気調和設備の計算結果。
※3 機械換気設備の計算結果。
※4 照明設備の計算結果。
※5 給湯設備の計算結果。
※6 昇降機の計算結果。
※7 効率化設備(太陽光発電)の計算結果。
※8 その他の計算結果。各室の機器発熱量から算出した値。

8.1.6 定数

本章で使用する定数を以下に示す。

表 3. 入力
変数名 説明 単位

\(f_{eopeMn}\)

運転判定基準必要電力比率

無次元

0.5

\(f_{hopeMn}\)

運転判定基準必要排熱比率

無次元

0.5

\(f_{esub,cgswc}\)

CGS補機動力比率(冷却塔があるとき)

無次元

0.06

\(f_{esub,cgsac}\)

CGS補機動力比率(冷却塔がないとき)

無次元

0.05

\(f_{lh}\)

ガスの高位発熱量に対する低位発熱量の比率

無次元

0.90222

\(f_{prime,e}\)

電気の一次エネルギー換算係数

MJ/kWh

9.76

\(f_{COP,link,hr}\)

排熱投入型吸収式冷温水機の排熱利用時のCOP

無次元

0.75

\(f_{elmax}\)

CGSによる電力負荷の最大負担率

無次元

0.95

\(T_{STn}\)

CGSの最大稼働時間

h/日

14

\(T_{STmin,W}\)

排熱を給湯のみに利用する場合のCGSの最小稼働時間

h/日

10

\(f_{cgs,e,cor}\)

発電効率補正

無次元

0.99

\(f_{hr,loss}\)

排熱の熱損失率

無次元

0.97

8.2 CGSのエネルギー消費特性の算出

入力された発電効率及び排熱効率から、CGSのエネルギー消費特性を算出するための各種係数を決定する。

表 4. 入力
変数名 説明 単位 参照先

\(f_{ cgs, e, rated }\)

CGSの定格発電効率(低位発熱量基準)

-

様式7-3:④発電効率 負荷率1.00

\(f_{ cgs, e, 75 }\)

CGSの負荷率0.75時発電効率(低位発熱量基準)

-

様式7-3:⑤発電効率 負荷率0.75

\(f_{ cgs, e, 50 }\)

CGSの負荷率0.5時発電効率(低位発熱量基準)

-

様式7-3:⑥発電効率 負荷率0.50

\(f_{ cgs, hr, rated }\)

CGSの定格排熱効率(低位発熱量基準)

-

様式7-3:⑦排熱効率 負荷率1.00

\(f_{ cgs, hr, 75 }\)

CGSの負荷率0.75時排熱効率(低位発熱量基準)

-

様式7-3:⑧排熱効率 負荷率0.75

\(f_{ cgs, hr, 50 }\)

CGSの負荷率0.5時排熱効率(低位発熱量基準)

-

様式7-3:⑨排熱効率 負荷率0.50

表 5. 出力
変数名 説明 単位 参照元

\(f_{ e2 }\)

CGSの発電効率特性式の2次式の係数項

-

8.15

\(f_{ e1 }\)

CGSの発電効率特性式の1次式の係数項

-

8.15

\(f_{ e0 }\)

CGSの発電効率特性式の定数項

-

8.15

\(f_{ hr2 }\)

CGSの排熱効率特性式の2次式の係数項

-

8.15

\(f_{ hr1 }\)

CGSの排熱効率特性式の1次式の係数項

-

8.15

\(f_{ hr0 }\)

CGSの排熱効率特性式の定数項

-

8.15

\(f_{ e2 }\) ,\(f_{ e1 }\) ,\(f_{ e0 }\) ,\(f_{ hr2 }\) ,\(f_{ hr1 }\) ,\(f_{ hr0 }\) はラグランジュの補完公式を利用して以下の式で求める。

\[\begin{eqnarray} f_{ e2 } &=& 8 \times ( f_{ cgs, e,rated } - 2 \times f_{ cgs, e, 75 } + f_{ cgs, e, 50 } ) \\ f_{ e1 } &=& -2 \times ( 5 \times f_{ cgs, e,rated } - 12 \times f_{ cgs, e, 75 } + 7 \times f_{ cgs, e, 50 } ) \\ f_{ e0 } &=& 3 \times f_{ cgs, e,rated } - 8 \times f_{ cgs, e, 75 } + 6 \times f_{ cgs, e, 50 } \end{eqnarray}\]
\[\begin{eqnarray} f_{ hr2 } &=& 8 \times ( f_{ cgs, e,rated } - 2 \times f_{ cgs, e, 75 } + f_{ cgs, e, 50 } ) \\ f_{ hr1 } &=& -2 \times ( 5 \times f_{ cgs, e,rated } - 12 \times f_{ cgs, e, 75 } + 7 \times f_{ cgs, e, 50 } ) \\ f_{ hr0 } &=& 3 \times f_{ cgs, e,rated } - 8 \times f_{ cgs, e, 75 } + 6 \times f_{ cgs, e, 50 } \end{eqnarray}\]

8.3 最大稼働時間

最大稼働時間を算出する。

表 6. 入力
変数名 説明 単位 参照先

\(C_{ 24ope }\)

CGSの24時間運転の有無

-

様式7-3:⑬24時間運転の有無

\(T_{ STn }\)

CGSが間欠運転する場合の最大稼働時間

h/日

G.4

表 7. 出力
変数名 説明 単位 参照元

\(T_{ ST }\)

CGSの最大稼働時間

h/日

8.7、8.8、8.9、8.10

CGSの最大稼働時間 \(T_{ ST }\) は建物用途によらず \(T_{ STn }\) とする。ただし、 \(C_{ 24ope }\) が「有」の場合、最大稼働時間 \(T_{ ST }\) は24とする。

\[T_{ ST } = \begin{cases} T_{ STn } & , C_{ 24ope } = \mbox{無} \\ 24 & , C_{ 24ope } = \mbox{有} \end{cases}\]

8.4 電力負荷

電力負荷を算出する。

表 8. 入力
変数名 説明 単位 参照先

\(E_{ AC, total, d }\)

日付dにおける空気調和設備の電力消費量

MWh/日

8.1.5.2

\(E_{ V, total, d }\)

日付dにおける機械換気設備の電力消費量

MWh/日

8.1.5.2

\(E_{ L, total, d }\)

日付dにおける照明設備の電力消費量

MWh/日

8.1.5.2

\(E_{ W, total, d }\)

日付dにおける給湯設備の電力消費量

MWh/日

8.1.5.2

\(E_{ EV, total, d }\)

日付dにおける昇降機の電力消費量

MWh/日

8.1.5.2

\(E_{ M, total, d }\)

日付dにおけるその他の電力消費量

MWh/日

8.1.5.2

\(E_{ PV, total, d }\)

日付dにおける効率化設備(太陽光発電)の発電量

MWh/日

8.1.5.2

表 9. 出力
変数名 説明 単位 参照元

\(E_{ e, total, d }\)

日付dにおける建物の電力消費量

kWh/日

8.9、8.10

\[\begin{split} E_{ e, total, d } &= ( E_{ AC, total, d } + E_{ V, total, d } + E_{ L, total, d } \\ & \quad + E_{ W, total, d } + E_{ EV, total, d } + E_{ M, total, d } \\ & \quad - E_{ PV, total, d } ) \times 1000 \end{split}\]

8.5 排熱投入型温水吸収冷温水機の排熱利用可能率

排熱投入型温水吸収冷温水機の排熱利用可能率を算出する。

表 10. 入力
変数名 説明 単位 参照先

\(mxL_{ AC, ref, c, d }\)

日付dにおけるCGSの排熱利用が可能な排熱投入型吸収式冷温水機(系統)の冷熱源としての負荷率

-

8.1.5.2

\(f_{ link, rated, b }\)

排熱投入型吸収式冷温水機の定格運転時の排熱投入可能率(定格条件)

-

G.8

\(f_{ link, min, b }\)

排熱投入型吸収式冷温水機が排熱のみで運転できる最大負荷率(定格条件)

-

G.8

\(f_{ link, down }\)

排熱温度による排熱投入可能率の低下率

-

G.9

表 11. 出力
変数名 説明 単位 参照元

\(f_{ link, d }\)

日付dにおける排熱投入型吸収式冷温水機の排熱利用可能率

-

8.6

排熱温度による排熱投入可能率の低下率を考慮した排熱投入型吸収式冷温水機の定格運転時の排熱投入可能率 \(f_{ link, rated }\) 、 排熱投入型吸収式冷温水機が排熱のみで運転できる最大負荷率 \(f_{ link, min }\) を求めた後、排熱投入型温水吸収冷温水機の排熱利用可能率 \(f_{ link, d }\) を計算する。

\[f_{ link, rated } = f_{ link, rated, b } \times ( 1 - f_{ link, down } )\]
\[f_{ link, min } = f_{ link, min, b } - ( f_{ link, rated, b } - f_{ link, rated } )\]
\[f_{ link, d } = \begin{cases} 1 & , mxL_{ AC, ref, c, d } < f_{ link, min } \\ 1 - \frac{ mxL_{ AC, ref, c, d } - \left\{ \frac{ f_{ link, rated } - f_{ link, min } }{ 1 - f_{ link, min } } \times mxL_{ AC, ref, c, d } + \left( f_{ link, rated } - \frac{ f_{ link, rated } - f_{ link, min } }{ 1 - f_{ link, min } } \right) \right\} }{ mxL_{ AC, ref, c, d } } & , mxL_{ AC, ref, c, d } \geqq f_{ link, min } \end{cases}\]

排熱投入型温水吸収冷温水機の排熱の利用可能率について

排熱投入型温水吸収冷温水機の排熱投入可能率は各運転負荷率において冷熱製造に必要とされる投入エネルギー量のうち、排熱により代替できる投入エネルギー量の割合を示す。負荷に応じた排熱投入型温水吸収冷温水機の排熱投入可能率を以下の図に示す。排熱投入型温水吸収冷温水機は低負荷域では排熱のみで冷熱製造を行うことができるが、高負荷になると排熱の利用可能率が低下し、ガス等の投入が必要となる。

負荷に応じた排熱投入型温水吸収冷温水機の排熱投入可能率
図 2. 負荷に応じた排熱投入型温水吸収冷温水機の排熱投入可能率

8.6 冷熱源排熱負荷

冷熱源排熱負荷を算出する。

表 12. 入力
変数名 説明 単位 参照先

\(E_{ AC, ref, c, d }\)

日付dにおけるCGSの排熱利用が可能な排熱投入型吸収式冷温水機(系統)の冷熱源としての主機の一次エネルギー消費量

MJ/日

8.1.5.2

\(f_{ link, d }\)

日付dにおける排熱投入型吸収式冷温水機の排熱利用可能率

-

8.5

\(q_{ AC, link, c, j, rated }\)

排熱投入型吸収式冷温水機jの定格冷却能力

kW/台

様式2-5:⑩定格冷却能力

\(E_{ AC, link, c, j, rated }\)

排熱投入型吸収式冷温水機jの主機定格消費エネルギー

kW/台

様式2-5:⑪主機定格消費エネルギー

\(N_{ AC, ref, link }\)

CGSの排熱利用が可能な系統にある排熱投入型吸収式冷温水機の台数

様式2-5:⑧台数

\(n_{ pri, hr, c }\)

排熱利用優先順位(冷熱源)

-

様式7-3:⑩排熱利用優先順位 空調冷熱源

\(f_{ COP, link, hr }\)

排熱投入型吸収式冷温水機の排熱利用時のCOP

-

G.5

\(n_{ pri, hr, c}\)

排熱利用優先順位(冷熱源)

無次元

様式7-3

表 13. 出力
変数名 説明 単位 参照元

\(q_{ AC, ref, ch, hr, d }\)

日付dにおけるCGSの排熱利用が可能な排熱投入型吸収式冷温水機(系統)の冷熱源としての排熱負荷

MJ/日

8.7、8.10

\(E_{ AC, ref, c, hr, d }\)

日付dにおけるCGSの排熱利用が可能な排熱投入型吸収式冷温水機(系統)の冷熱源としての主機の一次エネルギー消費量のうち排熱による削減可能量

MJ/日

8.10

\[q_{ AC, ref, c, hr, d } = \begin{cases} 0 & , n_{ pri, hr, c } = 0 \\ E_{ AC, ref, c, d } \times f_{ link, d } \times \frac{ \sum_{ j = 1 }^{ N_{ AC, ref, link } } q_{ AC, link, c, j, rated } }{ \sum_{ j = 1 }^{ N_{ AC, ref, link } } E_{ AC, link, c, j, rated } } \times \frac{ 1 }{ f_{ COP, link, hr } } & , n_{ pri, hr, c } \neq 0 \end{cases}\]
\[E_{ AC, ref, c, hr, d } = \begin{cases} 0 & , n_{ pri, hr, c } = 0 \\ E_{ AC, ref, c, d } \times f_{ link, d } & , n_{ pri, hr, c } \neq 0 \end{cases}\]

8.7 CGS系統の熱負荷

CGS系統の熱負荷を算出する。

表 14. 入力
変数名 説明 単位 参照先

\(q_{ AC, ref, c, hr, d }\)

日付dにおけるCGSの排熱利用が可能な排熱投入型吸収式冷温水機(系統)の冷熱源としての排熱負荷

MJ/日

8.6

\(q_{ AC, ref, h, hr, d }\)

日付dにおけるCGSの排熱利用が可能な温熱源群の熱源負荷

MJ/日

8.1.5.2

\(q_{ W, hr, d }\)

日付dにおけるCGSの排熱利用が可能な給湯機(系統)の給湯負荷

MJ/日

5.6

\(T_{ AC, c, d }\)

日付dにおけるCGSの排熱利用が可能な排熱投入型吸収式冷温水機(系統)の運転時間

h/日

8.1.5.2

\(T_{ AC, h, d }\)

日付dにおけるCGSの排熱利用が可能な温熱源群の運転時間

h/日

8.1.5.2

\(T_{ ST }\)

CGSの最大稼働時間

h/日

8.3

表 15. 出力
変数名 説明 単位 参照元

\(q_{ hr, AC, c, d }\)

日付dにおけるCGSの排熱利用が可能な排熱投入型吸収式冷温水機(系統)の排熱負荷

MJ/日

-

\(q_{ hr, AC, h, d }\)

日付dにおけるCGSの排熱利用が可能な温熱源群の排熱負荷

MJ/日

-

\(q_{ hr, total, d }\)

日付dにおけるCGSの排熱系統の熱負荷

MJ/日

8.9、8.11

日付dにおけるCGS排熱系統の熱負荷 \(q_{ hr, total, d }\) は冷熱源としての排熱負荷と温熱源の排熱負荷をそれぞれ求め、給湯の排熱負荷と足し合わせて求める。 冷熱源としての排熱負荷は、一日の冷房運転時間がCGSの最大運転時間より短い場合に、以下の通り時間数に応じた補正を行う。

\[q_{ hr, AC, c, d } = \begin{cases} q_{ AC, ref, c, hr, d } \times \frac{ T_{ ST } }{ T_{ AC, c ,d } } & , T_{ AC, c, d } > T_{ ST } \\ q_{ AC, ref, c, hr, d } & , T_{ AC, c, d } \leqq T_{ ST } \end{cases}\]

温熱源の排熱負荷も、冷熱源と同様に補正を行う。

\[q_{ hr, AC, h, d } = \begin{cases} q_{ AC, ref, h, hr, d } \times \frac{ T_{ ST } }{ T_{ AC, h ,d } } & , T_{ AC, h, d } > T_{ ST } \\ q_{ AC, ref, h, hr, d } & , T_{ AC, h, d } \leqq T_{ ST } \end{cases}\]

最後に、冷熱源の排熱負荷と温熱限の排熱負荷に、給湯負荷を加えて、CGS排熱系統の熱負荷とする。なお、給湯負荷については給湯タンクを設けることで給湯負荷の発生時間帯がCGSの運転時間帯と異なっていてもCGSの排熱を給湯に用いることが可能であることから運転時間による負荷の補正は行わない。

\[q_{ hr, total, d } = q_{ hr, AC, c, d } + q_{ hr, AC, h, d } + q_{ W, hr, d }\]

8.8 一日の電力消費量に占める運用時間帯の電力消費量の比率

一日の電力消費量に占める運用時間帯の電力消費量の比率を算出する。

表 16. 入力
変数名 説明 単位 参照先

\(T_{ ST }\)

CGSの最大稼働時間

h/日

8.3

\(f_{ eopeHi }\)

建物の運用時間帯と比運用時間帯の平均電力比

-

8.1.5.2

表 17. 出力
変数名 説明 単位 参照元

\(f_{ eope, R }\)

一日の電力消費量に占める運用時間帯の電力消費量の比率

-

-

\[f_{ eope, R } = \frac{ f_{ eopeHi } \times T_{ ST } }{ f_{ eopeHi } \times T_{ ST } + ( 24 - T_{ ST } ) }\]

なお、上式は下図に示す一日の積算電力消費量(水色とオレンジの面積の合計)に対してCGS運用時間帯分の電力消費量(オレンジの面積)を求める式となっている。 \(f_{ eopeHi }\) はCGS停止時間帯の平均消費電力を1としたときのCGS運用時間帯の平均消費電力を表しており、CGS運用時間帯分の電力消費量(オレンジの面積)は \(f_{ eopeHi } \times T_{ ST }\) と表され、CGS停止時間帯の電力消費量(水色の面積)は \(( 24 - T_{ ST } ) \times 1 \) と表されるため、上式となる。

一日の積算電力消費量に占めるCGS運用時間帯の電力消費量の算定
図 3. 一日の積算電力消費量に占めるCGS運用時間帯の電力消費量の算定

8.9 CGS運転時間

CGS運転時間を算出する。

表 18. 入力
変数名 説明 単位 参照先

\(E_{ e, total, d }\)

日付dにおける建物の電力消費量

kWh/日

8.4

\(q_{ hr, total, d }\)

日付dにおけるCGS排熱系統の熱負荷

MJ/日

8.7

\(E_{ cgs, rated }\)

CGSの定格発電出力

kW

8.1.5.1

\(f_{ cgs, e, rated }\)

CGSの定格発電効率(低位発熱量基準)

-

8.1.5.1

\(f_{ cgs, hr, rated }\)

CGSの定格排熱効率(低位発熱量基準)

-

8.1.5.1

\(f_{ eopeMn }\)

運転判定基準必要電力比率

-

8.1.6

\(f_{ hopeMn }\)

運転判定基準必要排熱比率

-

8.1.6

\(f_{ esub, cgswc }\)

CGS補機動力比率(冷却塔があるとき)

-

8.1.6

\(f_{ esub, cgsac }\)

CGS補機動力比率(冷却塔がないとき)

-

8.1.6

\(T_{ AC, c, d }\)

日付dにおけるCGSの排熱利用が可能な排熱投入型吸収式冷温水機(系統)の運転時間

h/日

8.1.5.2

\(T_{ AC, h, d }\)

日付dにおけるCGSの排熱利用が可能な温熱源群の運転時間

h/日

8.1.5.2

\(T_{ ST }\)

CGSの最大稼働時間

h/日

8.3

\(T_{ STmin, W }\)

排熱を給湯のみに利用する場合のCGSの最小稼働時間

h/日

8.1.6

\(f_{ eope, R }\)

一日の電力消費量に占める運用時間帯の電力消費量の比率

-

8.8

\(N_{ pri, hr, c }\)

排熱利用優先順位(冷熱源)

8.1.5.1

\(N_{ pri, hr, h }\)

排熱利用優先順位(温熱源)

8.1.5.1

表 19. 出力
変数名 説明 単位 参照元

\(T_{ cgs, d }\)

日付dにおけるCGSの稼働時間

h/日

8.10

\(f_{ esub, cgs }\)

CGS補器動力比率

-

8.12

CGS補機動力比率 \(f_{ esub, cgs }\) は、CGSの定格発電出力に応じて以下のように決定する。 これは定格発電出力50kW以下のマイクロガスエンジンは冷却塔を持たず、その分補機動力が少ないことを考慮したものである。

\[f_{ esub, cgs } = \begin{cases} f_{ esub, cgswc } & , E_{ cgs, rated } > 50 \\ f_{ esub, cgsac } & , E_{ csg, rated } \leqq 50 \end{cases}\]

日付dにおけるCGSの稼働時間 \(T_{ cgs, d }\) は次式で求める。

(1) \(n_{ pri, hr, c } = 0 \land n_{ pri, hr, h } = 0 \) の時

 a) \(\frac{ q_{ hr, total, d } }{ E_{ cgs, rated } \times 3.6 \times f_{ hopeMn } } \times \frac{ f_{ cgs, e, rated } }{ f_{ cgs, h, rated } } \geqq T_{ ST } \land \frac{ E_{ e, total, d } \times f_{ eope, R } \times ( 1 + f_{ esub, cgs } ) }{ E_{ cgs, rated } \times f_{ eopMn } } \geqq T_{ ST }\) の時

\[T_{ cgs, d } = T_{ ST }\]

 b) a)に該当せず、\(\left( \frac{ q_{ hr, total, d } }{ E_{ cgs, rated } \times 3.6 \times f_{ hopeMn } } \times \frac{ f_{ cgs, e, rated } }{ f_{ cgs, h, rated } } \geqq T_{ STmin, W } \land \frac{ E_{ e, total, d } \times f_{ eope, R } \times ( 1 + f_{ esub, cgs } ) }{ E_{ cgs, rated } \times f_{ eopMn } } \geqq T_{ STmin, W } \right) = \mbox{True}\) の時

\[T_{ cgs, d } = T_{ STmin, W }\]

 c) a),b)とも該当しない時

\[T_{ cgs, d } = 0\]

(2) (1)に該当せず、\(T_{ AC, c, d } \geqq T_{ AC, h, d }\) の時

 a) \(\frac{ q_{ hr, total, d } }{ E_{ cgs, rated } \times 3.6 \times f_{ hopeMn } } \times \frac{ f_{ cgs, e, rated } }{ f_{ cgs, h, rated } } \geqq T_{ ST } \land \frac{ E_{ e, total, d } \times f_{ eope, R } \times ( 1 + f_{ esub, cgs } ) }{ E_{ cgs, rated } \times f_{ eopMn } } \geqq T_{ ST }\) の時

\[T_{ cgs, d } = T_{ ST }\]

 b) a)に該当せず、\(\left( \frac{ q_{ hr, total, d } }{ E_{ cgs, rated } \times 3.6 \times f_{ hopeMn } } \times \frac{ f_{ cgs, e, rated } }{ f_{ cgs, h, rated } } \geqq T_{ AC, c, d } \land \frac{ E_{ e, total, d } \times f_{ eope, R } \times ( 1 + f_{ esub, cgs } ) }{ E_{ cgs, rated } \times f_{ eopMn } } \geqq T_{ AC, c, d } \right) = \mbox{True}\) の時

\[T_{ cgs, d } = T_{ AC, c, d }\]

 c) a),b)とも該当しない時

\[T_{ cgs, d } = 0\]

(3) (1)に該当せず、\((T_{ AC, c, d } < T_{ AC, h, d }\) の時

 a) \(\frac{ q_{ hr, total, d } }{ E_{ cgs, rated } \times 3.6 \times f_{ hopeMn } } \times \frac{ f_{ cgs, e, rated } }{ f_{ cgs, h, rated } } \geqq T_{ ST } \land \frac{ E_{ e, total, d } \times f_{ eope, R } \times ( 1 + f_{ esub, cgs } ) }{ E_{ cgs, rated } \times f_{ eopMn } } \geqq T_{ ST }\) の時

\[T_{ cgs, d } = T_{ ST }\]

 b) a)に該当せず、\(\left( \frac{ q_{ hr, total, d } }{ E_{ cgs, rated } \times 3.6 \times f_{ hopeMn } } \times \frac{ f_{ cgs, e, rated } }{ f_{ cgs, h, rated } } \geqq T_{ AC, h, d } \land \frac{ E_{ e, total, d } \times f_{ eope, R } \times ( 1 + f_{ esub, cgs } ) }{ E_{ cgs, rated } \times f_{ eopMn } } \geqq T_{ AC, h, d } \right) = \mbox{True}\) の時

\[T_{ cgs, d } = T_{ AC, h, d }\]

 c) a),b)とも該当しない時

\[T_{ cgs, d } = 0\]

(1)は「排熱を給湯のみに利用する場合」であり、この場合は、\(T_{ STmin, W }\) (=10時間) を最小運転時間とする。
(2)及び(3)は排熱を冷房や暖房に利用する場合であり、この場合は、冷房運転時間と暖房運転時間のうち長い方を参照参考にし、電力負荷と熱負荷が十分にあれば、CGSの稼働時間はCGSの最大稼働時間としている。

条件式にある \(\frac{ q_{ hr, total, d } }{ E_{ cgs, rated } \times 3.6 \times f_{ hopeMn } } \times \frac{ f_{ cgs, e, rated } }{ f_{ cgs, h, rated } }\) はCGS排熱系統の熱負荷を運転判定基準必要排熱比率に該当する排熱量で除した場合に運転時間何時間分となるかを表している。同様に \(\frac{ E_{ e, total, d } \times f_{ eope, R } \times ( 1 + f_{ esub, cgs } ) }{ E_{ cgs, rated } \times f_{ eopMn } }\) は、電力負荷を運転判定基準必要電力比率に該当する状態で発電した場合に運転時間何時間分となるか表しており、これが共に最大稼働時間 \(T_{ ST }\) を越えている場合には、十分に負荷があると見なして最大稼働時間 \(T_{ ST }\) をその日のCGSの稼働時間とする。これに該当しない場合にも、これらの数値が共に冷房運転時間(暖房運転時間の方が長ければ暖房運転時間、また給湯のみに排熱を利用する場合には「排熱を給湯のみに利用する場合のCGSの最小稼働時間(10時間)」)を越えていれば、その時間(冷房運転時間、または暖房運転時間、最小稼働時間)をその日のCGSの稼働時間とする。これも満たさない場合は、負荷が少ないものと判断して、その日は運転を行わないこととする。

8.10 CGS運転時間における負荷

CGS運転時間における負荷を算出する。

表 20. 入力
変数名 説明 単位 参照先

\(E_{ e, total, d }\)

日付dにおける建物の電力消費量

kWh/日

8.4

\(E_{ AC, ref, c, hr, d }\)

日付dにおけるCGSの排熱利用が可能な排熱投入型吸収式冷温水機(系統)の冷熱源としての主機の一次エネルギー消費量のうち排熱による削減可能量

MJ/日

8.6

\(q_{ AC, ref, c, hr, d }\)

日付dにおけるCGSの排熱利用が可能な排熱投入型吸収式冷温水機(系統)の冷熱源としての排熱負荷

MJ/日

8.6

\(E_{ AC, ref, h, hr, d }\)

日付dにおけるCGSの排熱利用が可能な温熱源群の主機の一次エネルギー消費量のうち排熱による削減可能量

MJ/日

8.1.5.2

\(q_{ AC, ref, h, hr, d }\)

日付dにおけるCGSの排熱利用が可能な温熱源群の排熱負荷

MJ/日

8.1.5.2

\(E_{ W, hr, d }\)

日付dにおけるCGSの排熱利用が可能な給湯機(系統)の主機の一次エネルギー消費量のうち排熱による削減可能量

MJ/日

8.1.5.2

\(q_{ W, hr, d }\)

日付dにおけるCGSの排熱利用が可能な給湯機(系統)の排熱負荷

MJ/日

8.1.5.2

\(T_{ ST }\)

CGSの最大稼働時間

h/日

8.3

\(T_{ AC, c, d }\)

日付dにおけるCGSの排熱利用が可能な排熱投入型吸収式冷温水機(系統)の運転時間

h/日

8.1.5.2

\(T_{ AC, h, d }\)

日付dにおけるCGSの排熱利用が可能な温熱源群の運転時間

h/日

8.1.5.2

\(f_{ eope, R }\)

一日の電力消費量に占める運用時間帯の電力消費量の比率

-

8.8

\(T_{ cgs, d }\)

日付dにおけるCGSの稼働時間

h/日

8.9

表 21. 出力
変数名 説明 単位 参照元

\(E_{ e, total, on, d }\)

日付dにおけるCGS稼働時間帯の建物の電力消費量

kWh/日

-

\(E_{ AC, ref, c, hr, on, d }\)

日付dにおけるCGS稼働時の排熱利用が可能な排熱投入型吸収式冷温水機(系統)の冷熱源としての主機の一次エネルギー消費量のうち排熱による削減可能分

MJ/日

-

\(q_{ AC, ref, c, hr, on, d }\)

日付dにおけるCGS稼働時の排熱利用が可能な排熱投入型吸収式冷温水機(系統)の冷熱源としての排熱投入可能量

MJ/日

-

\(E_{ AC, ref, h, hr, on, d }\)

日付dにおけるCGS稼働時の排熱利用が可能な温熱源群の主機の一次エネルギー消費量

MJ/日

-

\(q_{ AC, ref, h, hr, on, d }\)

日付dにおけるCGS稼働時の排熱利用が可能な温熱源群への排熱投入可能量

MJ/日

-

\(E_{ W, hr, on, d }\)

日付dにおけるCGS稼働時の排熱利用が可能な給湯機(系統)の一次エネルギー消費量

MJ/日

-

\(q_{ AC, ref, h, hr, on, d }\)

日付dにおけるCGS稼働時の排熱利用が可能な給湯機(系統)への排熱投入可能量

MJ/日

-

\(q_{ total, hr, on, d }\)

日付dにおけるCGS稼働時の排熱投入可能量合計

MJ/日

-

CGS稼働時間帯の建物の電力消費量は、CGS稼働時間により下式で補正する。

\[E_{ e, total, on, d } = E_{ e, total, d } \times f_{ eope, R } \times \frac{ T_{ cgs, d } }{ T_{ ST } }\]

CGSの稼働時間帯の給湯の排熱投入可能量および排熱利用が可能な給湯機(系統)の一次エネルギー消費量については、タンクが設けられることでCGSの稼働時間外の負荷も処理できることを加味してCGS稼働時間による補正は行わない。

\[E_{ W, hr, on, d } = E_{ W, hr, d }\]
\[q_{ W, hr, on, d } = q_{ W, hr, d }\]

CGSの稼働時間帯の冷熱源の排熱投入可能量および主機の一次エネルギー消費量のうち排熱による削減可能分は下式で求める。冷房運転時間がCGSの運転時間よりも短い場合には、CGSの稼働時間による補正は行わない。冷房運転時間がCGSの運転時間よりも長い場合には、時間数に応じた按分によりCGS運転時間中の冷熱源の排熱投入可能量を求める。

\[E_{ AC, ref, c, hr, on, d } = \begin{cases} E_{ AC, ref, c, hr, d } & , T_{ AC, c, d } \leqq T_{ cgs, d } \\ E_{ AC, ref, c, hr, d} \times \frac{ T_{ cgs, d } }{ T_{ AC, c, d } } & , T_{ AC, c, d } > T_{ cgs, d } \end{cases}\]
\[q_{ AC, ref, c, hr, on, d } = \begin{cases} q_{ AC, ref, c, hr, d } & , T_{ AC, c, d } \leqq T_{ cgs, d } \\ q_{ AC, ref, c, hr, d} \times \frac{ T_{ cgs, d } }{ T_{ AC, c, d } } & , T_{ AC, c, d } > T_{ cgs, d } \end{cases}\]

温熱源についても冷熱源と同様にCGSの稼働時間帯の温熱源の排熱投入可能量および排熱利用が可能な温熱源群の主機の一次エネルギー消費量は下式で求める。

\[E_{ AC, ref, h, hr, on, d } = \begin{cases} E_{ AC, ref, h, hr, d } & , T_{ AC, h, d } \leqq T_{ cgs, d } \\ E_{ AC, ref, h, hr, d} \times \frac{ T_{ cgs, d } }{ T_{ AC, h, d } } & , T_{ AC, h, d } > T_{ cgs, d } \end{cases}\]
\[q_{ AC, ref, h, hr, on, d } = \begin{cases} q_{ AC, ref, h, hr, d } & , T_{ AC, h, d } \leqq T_{ cgs, d } \\ q_{ AC, ref, h, hr, d} \times \frac{ T_{ cgs, d } }{ T_{ AC, h, d } } & , T_{ AC, h, d } > T_{ cgs, d } \end{cases}\]

日付dにおけるCGS稼働時の排熱投入可能量合計は上記の式で算出した数値を基に以下の式で求める。

\[q_{ total, hr, on, d } = q_{ AC, ref, c, hr, on, d } + q_{ AC, ref, h, hr, on, d } + q_{ W, hr, on, d }\]

8.11 CGSの最大稼働台数

CGSの最大稼働台数を算出する。

表 22. 入力
変数名 説明 単位 参照先

\(q_{ hr, total, d }\)

日付dにおけるCGS排熱系統の熱負荷

MJ/日

8.7

\(E_{ cgs, rated }\)

CGSの定格発電出力

kW

8.x

\(f_{ cgs, e, rated }\)

CGSの定格発電効率(低位発熱量基準)

-

8.1.5.1

\(f_{ cgs, hr, rated }\)

CGSの定格排熱効率(低位発熱量基準)

-

8.1.5.1

\(T_{ cgs, d }\)

日付dにおけるCGSの稼働時間

h/日

8.9

\(N_{ cgs }\)

CGS設置台数

8.x

表 23. 出力
変数名 説明 単位 参照元

\(N'_{ cgs, on, max, d }\)

日付dにおけるCGSの暫定最大稼働台数

-

\(N_{ cgs, on, max, d }\)

日付dにおけるCGSの最大稼働台数

-

日付dにおけるCGSの暫定最大稼働台数 \(N'_{ cgs, on, max, d }\) は次式で求める。

\[N'_{ cgs, on, max, d } = \begin{cases} \left \lceil{ \frac{ q_{ hr, total, d } }{ E_{ cgs,rated } \times 3.6 } \times \frac{ f_{ csg, e, rated } }{ f_{ cgs, hr, rated } \times T_{ cgs, d } } }\right \rceil & , T_{ cgs, d } \neq 0 \\ 0 & , T_{ csg, d } = 0 \end{cases}\]

なお、 \(\left \lceil{ x }\right \rceil\) はCeil関数であり、xが小数を含む場合は整数に切り上げる。

CGSの設置台数と上記で求めた暫定最大稼働台数の比較により、CGSの最大稼働台数を求める。

\[N_{ cgs, on, max, d } = \begin{cases} N_{ csg } & , N'_{ cgs, on, max, d } \geqq N_{ cgs } \\ N'_{ cgs, on, max, d } & , N'_{ cgs, on, max, d } < N_{ cgs } \end{cases}\]

8.12 発電電力負荷

発電電力負荷を算出する。

表 24. 入力
変数名 説明 単位 参照先

\(E_{ e, total, on, d }\)

日付dにおけるCGS稼働時間帯の建物電力消費量

kWh/日

8.10

\(f_{ esub, cgs }\)

CGS補機動力比率

-

8.9

\(f_{ elmax }\)

CGSによる電力負荷の最大負担率

-

8.1.6

表 25. 出力
変数名 説明 単位 参照元

\(E_{ e, load, d }\)

日付dにおけるCGSの発電電力負荷

kWh/日

-

\[E_{ e, load, d} = E_{ e, total, on, d} \times f_{ elmax } \times ( 1 + f_{ esub, cgs } )\]

8.13 運転台数

運転台数を算出する。

表 26. 入力
変数名 説明 単位 参照先

\(E_{ e, load, d }\)

日付dにおけるCGSの発電電力負荷

kWh/日

8.12

\(E_{ cgs, rated }\)

CGSの定格発電出力

kW

8.x

\(N_{ cgs, on, max, d }\)

日付dにおけるCGSの最大稼働台数

8.11

\(T_{ cgs, d }\)

日付dにおけるCGSの稼働時間

h/日

8.9

表 27. 出力
変数名 説明 単位 参照元

\(N'_{ cgs, on, d }\)

日付dにおけるCGSの運転台数暫定値

-

\(N_{ cgs, on, d }\)

日付dにおけるCGSの運転台数

-

\[N'_{ cgs, on, d } = \begin{cases} \frac{ E_{ e, load, d } }{ E_{ cgs, rated } \times T_{ cgs, d } } & , T_{ cgs, d } > 0 \\ 0 & , T_{ cgs, d} = 0 \\ \end{cases}\]
\[N_{ cgs, on, d } = \begin{cases} N_{ cgs, on, max, d } & , N'_{ cgs, on, d } \geqq N_{ cgs, on, max, d } \\ \left \lceil{ N'_{ cgs, on, d } }\right \rceil & , N_{ cgs, on, max, d } > N'_{ cgs, on, d } > 0 \\ 0 & , 0 \geqq N'_{ cgs, on, d } \\ \end{cases}\]

なお、 \(\left \lceil{ x }\right \rceil\) はCeil関数であり、xが小数を含む場合は整数に切り上げる。

8.14 発電負荷率

発電負荷率を算出する。

表 28. 入力
変数名 説明 単位 参照先

\(E_{ e, load, d }\)

日付dにおけるCGSの発電電力負荷

kWh/日

8.12

\(E_{ cgs, rated }\)

CGSの定格発電出力

kW

8.1.5.1

\(N_{ cgs, on, d }\)

日付dにおけるCGSの運転台数

8.13

\(T_{ cgs, d }\)

日付dにおけるCGSの稼働時間

h/日

8.9

表 29. 出力
変数名 説明 単位 参照元

\(mxL_{ cgs, d }\)

日付dにおけるCGSの負荷率

-

8.1.15

\[mxL_{ cgs, d } = \begin{cases} \min( 1, \frac{ E_{ e, load, d } }{ E_{ cgs, rated } \times T_{ cgs, d } \times N_{ cgs, on, d } }) & , T_{ cgs, d } > 0 \land N_{ cgs, on, d } > 0 \\ 0 & , T_{ cgs, d} = 0 \lor N_{ cgs, on, d} = 0 \\ \end{cases}\]

8.15 発電効率、排熱回収効率

発電効率、排熱回収効率を算出する。

表 30. 入力
変数名 説明 単位 参照先

\(f_{ e2 }\)

CGSの発電効率特性式の2次式の係数項

-

8.2

\(f_{ e1 }\)

CGSの発電効率特性式の1次式の係数項

-

8.2

\(f_{ e0 }\)

CGSの発電効率特性式の定数項

-

8.2

\(f_{ hr2 }\)

CGSの排熱効率特性式の2次式の係数項

-

8.2

\(f_{ hr1 }\)

CGSの排熱効率特性式の1次式の係数項

-

8.2

\(f_{ hr0 }\)

CGSの排熱効率特性式の定数項

-

8.2

\(mxL_{ cgs, d }\)

日付dにおけるCGSの負荷率

-

8.14

表 31. 出力
変数名 説明 単位 参照元

\(mxR_{ e, cgs, d }\)

日付dにおけるCGSの発電効率(低位発熱量基準)

-

8.17

\(mxR_{ hr, cgs, d }\)

日付dにおけるCGSの排熱回収効率(低位発熱量基準)

-

8.17

機種群Iの日付dにおける発電効率(低位発熱量基準) \(mxR_{ e, cgs, d }\) 、排熱回収効率(低位発熱量基準) \(mxR_{ hr, cgs, d }\) は次式で求める。

\[mxR_{ e, cgs, d } = f_{ e2 } \times mxL_{ cgs, d }^2 + f_{ e1 } \times mxL_{ cgs, d } + f_{ e0 }\]
\[mxR_{ hr, cgs, d } = f_{ jr2 } \times mxL_{ cgs, d }^2 + f_{ hr1 } \times mxL_{ cgs, d } + f_{ hr0 }\]

8.16 発電量、有効発電量

発電量、有効発電量を算出する。

表 32. 入力
変数名 説明 単位 参照先

\(E_{ cgs, rated }\)

日付dにおけるCSGの定格発電出力

kW

8.1.5

\(N_{ cgs, on, d }\)

日付dにおけるCSGの運転台数

8.13

\(T_{ cgs, d }\)

日付dにおけるCSGの稼働時間

h/日

8.11

\(mxL_{ cgs, d }\)

日付dにおけるCGSの負荷率

-

8.14

\(f_{ esub, cgs }\)

CGS補機動力比率

-

8.9

表 33. 出力
変数名 説明 単位 参照元

\(E_{ e, cgs, d }\)

日付dにおけるCGSの発電量

kWh/日

-

\(E_{ ee, cgs, d }\)

日付dにおけるCGSの有効発電量

kWh/日

-

\[E_{ e, cgs, d } = E_{ cgs, rated } \times N_{ cgs, on, d } \times T_{ cgs, d } \times mxL_{ cgs, d }\]
\[E_{ ee, cgs, d } = \frac{ E_{ e, cgs, d } }{ 1 + f_{ esub, cgs } }\]

8.17 燃料消費量、排熱回収量

燃料消費量、排熱回収量を算出する。

表 34. 入力
変数名 説明 単位 参照先

\(E_{ e, cgs, d }\)

日付dにおけるCSGの発電量

kWh/日

8.16

\(mxR_{ e, cgs, d }\)

日付dにおけるCSGの発電効率(低位発熱量基準)

-

8.15

\(mxR_{ hr, cgs, d }\)

日付dにおけるCSGの排熱回収効率(低位発熱量基準)

-

8.15

\(f_{ lh }\)

ガスの高位発熱量に対する低位発熱量の比率

-

8.1.6

\(f_{ cgs, e, cor }\)

発電効率補正

-

8.1.6

表 35. 出力
変数名 説明 単位 参照元

\(E_{ s, cgs, d }\)

日付dにおけるCGSの燃料消費量(高位発熱量基準)

MJ/日

8.22

\(q_{ hr, cgs, d }\)

日付dにおけるCGSの排熱回収量

MJ/日

8.18

\[E_{ s, cgs, d } = E_{ e, cgs, d } \times \frac{ 3.6 }{ mxR_{ e, cgs, d } \times f_{ cgs, e, cor } \times f_{ lh } }\]
\[q_{ hr, cgs, d } = E_{ s, cgs, d } \times f_{ cgs, e ,cor } \times mxR_{ hr, cgs, d } \times f_{ lh }\]

なお、CGSの排熱回収量 \(q_{ hr, cgs, d }\) の式において発電効率補正 \(f_{ cgs, e, cor }\) をかけるのは、CGSの燃料消費量(高位発熱量基準)\(E_{ s, cgs, d }\) において発電効率の補正値としてかけた \(f_{ cgs, e, cor }\) の影響を打ち消す意味がある。これは、発電効率補正 \(f_{ cgs, e, cor }\) が燃料消費量の増加を意図したものであり、それに伴う排熱回収量の増加を意図していないためである。

8.18 有効排熱回収量

有効排熱回収量を算出する。

表 36. 入力
変数名 説明 単位 参照先

\(q_{ hr, cgs, d }\)

日付dにおけるCSGの排熱回収量

MJ/日

8.17

\(q_{ total, hr, on, d }\)

日付dにおけるCSG稼働時の排熱投入可能量合計

MJ/日

8.10

\(f_{ hr, loss }\)

排熱の熱損失率

-

8.1.6

表 37. 出力
変数名 説明 単位 参照元

\(q_{ ehr, cgs, d }\)

日付dにおける有効排熱回収量

MJ/日

8.19

\[q_{ hr, cgs, d } = \begin{cases} q_{ total, hr, on, d } & , q_{ hr, cgs, d } \times f_{ hr, loss } \geqq q_{ total, hr, on, d} \\ q_{ hr, cgs, d } \times f_{ hr, loss } & , q_{ hr, cgs, d } \times f_{ hr, loss } < q_{ total, hr, on, d } \end{cases}\]

8.19 各用途の排熱利用量

各用途の排熱利用量を算出する。

表 38. 入力
変数名 説明 単位 参照先

\(q_{ ehr, cgs, d }\)

日付dにおけるCSGの有効排熱回収量

MJ/日

8.18

\(q_{ AC, ref, c, hr, on, d }\)

日付dにおけるCSG稼働時の排熱利用が可能な排熱投入型吸収式冷温水機(系統)の冷熱源としての排熱投入可能量

MJ/日

8.10

\(q_{ AC, ref, h, hr, on, d }\)

日付dにおけるCSG稼働時の排熱利用が可能な温熱源群の排熱投入可能量

MJ/日

8.10

\(q_{ W, hr, on, d }\)

日付dにおけるCSG稼働時の排熱利用が可能な給湯機(系統)の排熱投入可能量

MJ/日

8.10

\(n_{ pri, hr, c }\)

排熱利用優先順位(冷熱源)

-

8.1.5.2

\(n_{ pri, hr, h }\)

排熱利用優先順位(温熱源)

-

8.1.5.2

\(n_{ pri, hr, W }\)

排熱利用優先順位(給湯)

-

8.1.5.2

表 39. 出力
変数名 説明 単位 参照元

\(q_{ AC, ref, c, ehr, d }\)

日付dにおける排熱投入型吸収式冷温水機(系統)の冷熱源としての排熱利用量

MJ/日

8.20

\(q_{ AC, ref, h, ehr, d }\)

日付dにおける温熱源群の排熱利用量

MJ/日

8.20

\(q_{ W, ehr, d }\)

日付dにおける給湯機(系統)の排熱利用量

MJ/日

8.20

\(q_{ pri1, ehr, d }\)

日付dにおける排熱利用優先順位1の用途の排熱利用量

MJ/日

-

\(q_{ pri2, ehr, d }\)

日付dにおける排熱利用優先順位2の用途の排熱利用量

MJ/日

-

\(q_{ pri3, ehr, d }\)

日付dにおける排熱利用優先順位3の用途の排熱利用量

MJ/日

-

\(q_{ pri1, ehr, on, d }\)

日付dにおける排熱利用優先順位1の用途の排熱投入可能量

MJ/日

-

\(q_{ pri2, ehr, on, d }\)

日付dにおける排熱利用優先順位2の用途の排熱投入可能量

MJ/日

-

\(q_{ pri3, ehr, on, d }\)

日付dにおける排熱利用優先順位3の用途の排熱投入可能量

MJ/日

-

日付dにおける各用途の排熱利用量は、排熱の優先順位に応じて計算する。

まず、排熱利用優先順位に応じて、\(q_{pri1,ehr,on,d}\) には優先順位1位(冷房、暖房、給湯のいずれか)の排熱投入可能量を割り当て、以下同様に2位と3位も割り当てる。

\[q_{ pri1, ehr, on, d } = \begin{cases} q_{ AC, ref, c, hr, on ,d } & , n_{ pri, hr, c } = 1 \\ q_{ AC, ref, h, hr, on ,d } & , n_{ pri, hr, h } = 1 \\ q_{ W, hr, on ,d } & , n_{ pri, hr, W } = 1 \end{cases}\]
\[q_{ pri2, ehr, on, d } = \begin{cases} q_{ AC, ref, c, hr, on ,d } & , n_{ pri, hr, c } = 2 \\ q_{ AC, ref, h, hr, on ,d } & , n_{ pri, hr, h } = 2 \\ q_{ W, hr, on ,d } & , n_{ pri, hr, W } = 2 \\ 0 & , \mbox{Others} \end{cases}\]
\[q_{ pri3, ehr, on, d } = \begin{cases} q_{ AC, ref, c, hr, on ,d } & , n_{ pri, hr, c } = 3 \\ q_{ AC, ref, h, hr, on ,d } & , n_{ pri, hr, h } = 3 \\ q_{ W, hr, on ,d } & , n_{ pri, hr, W } = 3 \\ 0 & , \mbox{Others} \end{cases}\]

次に、得られた有効排熱回収量 \(q_{ ehr, cgs, d }\) を優先順位1位の利用用途の排熱投入可能量 \(q_{ pri1, ehr, on, d }\) と比較し、有効排熱回収量の方が大きければ(下記(1))、排熱投入可能量 \(q_{ pri1, ehr, on, d }\) はすべて賄えるものとして、次に優先順位2位の利用用途にどれだけの温水が利用できるかを計算する。以下、同様に優先順位3位まで計算する。

(1) \(q_{ ehr, cgs, d } \geqq q_{ pri1, ehr, on, d } \) の時

\[q_{ pri1, ehr, d } = q_{ pri1, ehr, on, d }\]

 a) \(q_{ ehr, cgs, d } - q_{pri1, ehr, d } \geqq q_{ pri2, ehr, on, d }\) の時

\[q_{ pri2, ehr, d } = q_{ pri2, ehr, on, d }\]

  i) \(q_{ehr, cgs, d } - q_{ pri1, ehr, d } - q_{ pri2, ehr, d } \geqq q_{ pri3, ehr, on, d }\) の時

\[q_{ pri3, ehr, d } = q_{ pri3, ehr, on, d }\]

  ii) \(q_{ehr, cgs, d } - q_{ pri1, ehr, d } - q_{ pri2, ehr, d } < q_{ pri3, ehr, on, d }\) の時

\[q_{ pri3, ehr, d } = q_{ ehr, cdg, d } - q_{ pri1, ehr, d } - q_{ pri2, ehr, d }\]

 b) \(q_{ ehr, cgs, d } - q_{pri1, ehr, d } < q_{ pri2, ehr, on, d }\) の時

\[q_{ pri2, ehr, d } = q_{ ehr, cgs, d } - q_{ pri1, ehr, d }\]
\[q_{ pri3, ehr, d } = 0\]

(2) \(q_{ ehr, cgs, d } < q_{ pri1, ehr, on, d } \) の時

\[q_{ pri1, ehr, d } = q_{ ehr, cgs, d }\]
\[q_{ pri2, ehr, d } = 0\]
\[q_{ pri3, ehr, d } = 0\]

最後に、上記(1)、(2)のいずれかで優先順位の高い順にどれだけの排熱が利用できるかを決定した後、冷房、暖房、給湯にそれぞれどれだけの排熱が利用できるかを割り当てる。

\[q_{ AC, ref, c, ehr, d } = \begin{cases} 0 & , n_{ pri, hr, c } = \mbox{空欄} \\ q_{ pri1, ehr, d } & , n_{ pri, hr, c } = 1 \\ q_{ pri2, ehr, d } & , n_{ pri, hr, c } = 2 \\ q_{ pri3, ehr, d } & , n_{ pri, hr, c } = 3 \end{cases}\]
\[q_{ AC, ref, h, ehr, d } = \begin{cases} 0 & , n_{ pri, hr, h } = \mbox{空欄} \\ q_{ pri1, ehr, d } & , n_{ pri, hr, h } = 1 \\ q_{ pri2, ehr, d } & , n_{ pri, hr, h } = 2 \\ q_{ pri3, ehr, d } & , n_{ pri, hr, h } = 3 \end{cases}\]
\[q_{ W, ehr, d } = \begin{cases} 0 & , n_{ pri, hr, W } = \mbox{空欄} \\ q_{ pri1, ehr, d } & , n_{ pri, hr, W } = 1 \\ q_{ pri2, ehr, d } & , n_{ pri, hr, W } = 2 \\ q_{ pri3, ehr, d } & , n_{ pri, hr, W } = 3 \end{cases}\]

8.20 各用途の一次エネルギー削減量

各用途の一次エネルギー削減量を算出する。

表 40. 入力
変数名 説明 単位 参照先

\(E_{ AC, ref, c, hr,on, d }\)

日付dにおけるCSG稼働時の排熱利用が可能な排熱投入型吸収式冷温水機(系統)の冷熱源としての主機の一次エネルギー消費量のうち排熱による削減可能分

MJ/日

8.10

\(E_{ AC, ref, h, hr,on, d }\)

日付dにおけるCSG稼働時の排熱利用が可能な温熱源群の主機の一次エネルギー消費量

MJ/日

8.10

\(E_{ W, hr,on, d }\)

日付dにおけるCSG稼働時の排熱利用が可能な給湯機(系統)の一次エネルギー消費量

MJ/日

8.10

\(q_{ AC, ref, c, hr, on, d }\)

日付dにおけるCSG稼働時の排熱利用が可能な排熱投入型吸収式冷温水機(系統)の冷熱源としての排熱投入可能量

MJ/日

8.10

\(q_{ AC, ref, h, hr, on, d }\)

日付dにおけるCSG稼働時の排熱利用が可能な温熱源群の排熱投入可能量

MJ/日

8.10

\(q_{ W, hr, on, d }\)

日付dにおけるCSG稼働時の排熱利用が可能な給湯機(系統)の排熱投入可能量

MJ/日

8.10

\(q_{ AC, ref, c, ehr, d }\)

日付dにおける排熱投入型吸収式冷温水機(系統)の冷熱源としての排熱利用量

MJ/日

8.19

\(q_{ AC, ref, h, ehr, d }\)

日付dにおける温熱源群の排熱利用量

MJ/日

8.19

\(q_{ W, hr, on, d }\)

日付dにおける給湯機(系統)の排熱利用量

MJ/日

8.19

表 41. 出力
変数名 説明 単位 参照元

\(E_{ AC, ref, c, red, d }\)

日付dにおける冷房の一次エネルギー削減量

MJ/日

8.22

\(E_{ AC, ref, h, red, d }\)

日付dにおける暖房の一次エネルギー削減量

MJ/日

8.22

\(E_{ W, red, d }\)

日付dにおける給湯の一次エネルギー削減量

MJ/日

8.22

日付dにおける冷房の一次エネルギー削減量 \(E_{ AC, ref, c, red, d }\) は次式で求める。

\[E_{ AC, ref, c, red, d } = \begin{cases} 0 & , q_{ AC, ref, c, hr, on, d } = 0 \\ E_{ AC, ref, c, hr, on ,d } \times \frac{ q_{ AC, ref, c, ehr, d } }{ q_{ AC, ref, c, hr, on, d } } & , \mbox{Others} \end{cases}\]

日付dにおける暖房の一次エネルギー削減量 \(E_{ AC, ref, h, red, d }\) は次式で求める。

\[E_{ AC, ref, h, red, d } = \begin{cases} 0 & , q_{ AC, ref, h, hr, on, d } = 0 \\ E_{ AC, ref, h, hr, on ,d } \times \frac{ q_{ AC, ref, h, ehr, d } }{ q_{ AC, ref, h, hr, on, d } } & , \mbox{Others} \end{cases}\]

日付dにおける暖房の一次エネルギー削減量 \(E_{ W, red, d }\) は次式で求める。

\[E_{ W, red, d } = \begin{cases} 0 & , q_{ W, hr, on, d } = 0 \\ E_{ W, hr, on ,d } \times \frac{ q_{ W, ehr, d } }{ q_{ W, hr, on, d } } & , \mbox{Others} \end{cases}\]

なお、これらの式は排熱投入可能量に対してどれだけの排熱が投入できたかという割合に応じて、それと同一の割合で排熱利用機器(冷房、暖房、給湯)の一次エネルギー消費量が削減されるという考えに基づいている。

8.21 電力の一次エネルギー削減量

電力の一次エネルギー削減量を算出する。

表 42. 入力
変数名 説明 単位 参照先

\(E_{ ee, cgs, d }\)

日付dにおけるCGSの有効発電量

kWh/日

8.16

表 43. 出力
変数名 説明 単位 参照元

\(E_{ e, red, d }\)

日付dにおける発電による電力の一次エネルギー削減量

MJ/日

8.22

\[E_{ e, red, d } = E_{ ee, cgs, d } \times f_{ prim, e }\]

8.22 CGSによる一次エネルギー削減量

CGSによる一次エネルギー削減量を算出する。

表 44. 入力
変数名 説明 単位 参照先

\(E_{ s, cgs }\)

日付dにおけるCSGの燃料消費量(高位発熱量基準)

MJ/日

8.17

\(E_{ AC, ref, c, red, d }\)

日付dにおける冷房の一次エネルギー削減量

MJ/日

8.20

\(E_{ AC, ref, h, red, d }\)

日付dにおける暖房の一次エネルギー削減量

MJ/日

8.20

\(E_{ W, red, d }\)

日付dにおける給湯の一次エネルギー削減量

MJ/日

8.20

\(E_{ AC, ref, c, red, d }\)

日付dにおける冷房の一次エネルギー削減量

MJ/日

8.20

\(E_{ e, red, d }\)

日付dにおける発電による電力の一次エネルギー削減量

MJ/日

8.21

表 45. 出力
変数名 説明 単位 参照元

\(E_{ total, cgs, red, d }\)

日付dにおけるCGSによる一次エネルギー削減量

MJ/日

出力

\[E_{ total, cgs, red, d } = E_{ AC, ref, c, red, d } + E_{ AC, ref, h, red, d } + E_{ W, red, d } + E_{ e, red, d } - E_{ s, cgs, d }\]

附属書G(コージェネレーション設備)

G.1 発電効率補正

表 46. 定数
定数名 説明 単位

\(f_{ cgs, e, cor }\)

発電効率補正

-

0.99

既往調査 [3] により得られた3件の実測データから実際の発電効率とカタログ値(JIS B 8122に規定される性能試験方法による)との比較を行ったところ、 図 4 を得た。 これに基づき安全側の発電効率とするため、発電効率の補正として \(f_{ cgs, e, cor } = 0.99\) とした。

実働発電効率の分布
図 4. 実働発電効率の分布

G.2 排熱の熱損失率

表 47. 定数
定数名 説明 単位

\(f_{ hr, loss }\)

排熱の熱損失率

-

0.97

CGS稼働時間中の配管表面からの熱損失と間欠運転による配管内の循環水の温度低下による損失の計算を行った。 2件の実建物について排温水回路の配管仕様を得て、それに基づき計算した。 想定した配管使用について 表 48 に示す。 表 48 に示した仕様に基づいて排温水回路の配管表面からの熱損失を計算した結果が 表 49 である。 ここでは循環水の温度を85℃、周囲温度を15℃と想定している。 次に配管内の循環水の温度低下による熱損失の計算結果について 表 50 に示す。 CGSが停止後、循環水の温度が85℃から15℃まで冷えると想定し、この分が利用不可能な排熱損失となるものとした。 これを基に配管からの熱損失を集計し、CGSの定格排熱量との比較を行ったものが 表 51 である。 この際、CGSの運転時間は12時間と想定している。 この結果、建物Aでは2.7%、建物Bで1.7%の損失が見込まれる結果となった。 これを基に得られる排熱のうち3%程度は損失として失われるものと考え \(f_{ hr, loss } = 0.97\) と設定した。

表 48. 配管仕様
建物 CGSの定格排熱量合計 配管長(配管径)

建物A

38.4kW × 1台

47.8m(25A) + 5.2m(32A)

建物B

52.5kW × 4台

14.0m(50A) + 11.0m(80A) + 27.0m(100A)

表 49. CGS稼働中の配管表面からの熱損失

建物

配管長

配管径

想定保温厚 [4]

保温仕様 [5]

線熱損失係数

温度差

熱損失

熱損失合計

-

m

A

mm

-

W/(m・K)

K

W

W

建物A

47.8

25

20

保温仕様2

0.270

70

903

1032

5.2

32

20

保温仕様2

0.354

70

129

建物B

14.0

50

20

保温仕様3

0.388

70

380

2089

11.0

80

20

保温仕様3

0.388

70

478

27.0

100

25

保温仕様2

0.651

70

1230

表 50. 間欠運転による熱損失量

建物

配管長

配管径

保有水量

温度差

熱損失量

熱損失量合計

-

m

A

m3

K

Wh

Wh

建物A

47.8

25

0.0023

70

1904

2243

5.2

32

0.0040

70

339

建物B

14.0

50

0.0270

70

2231

23928

11.0

80

0.0550

70

4487

27.0

100

0.0080

70

17210

表 51. 定格排熱回収量に対する熱損損失量の割合

建物

表面熱損失

運転時間想定

表面熱損失量

間歇運転による熱損失量

熱損失量合計

日積算排熱量

熱損失比率

-

W

時間

kWh

kWh

kWh

kWh

%

建物A

1032

12

12.4

2.2

14.6

537.6

2.7

建物B

2089

12

25.1

23.9

49.0

2940.0

1.7

G.3 CGS補機動力比率

表 52. 定数
定数名 説明 単位

\(f_{ esub, cgswc }\)

CGS補機動力比率(冷却塔があるとき)

-

0.05

\(f_{ esub, csgac }\)

CGS補機動力比率(冷却塔がないとき)

-

0.06

既往調査 [3] により得られた1件の実測データから運転時間中の補機動力と発電出力について平均をとったところ、 表 53 を得た。 本プログラムの参考としたCASCADEⅢ [6] においては補機動力は発電出力の5%と見込まれているが、実態は6%に近い結果であった。 特に冷却塔ファンと冷却塔ポンプが1%程度を占めており、放熱用の冷却塔を設置する大型のCGSでは補機動力が大きくなると想定されることから、放熱用ラジエータを持つため冷却塔が不要なマイクロCGS(発電出力50kW以下)については従来通り \(f_{ esub, csgac } = 0.05\) とし、それよりも大型のCGSについては \(f_{ esub, cgswc } = 0.06\)と設定した。

表 53. CGS発電出力に対する補機動力の比率

建物ID01
ガスエンジンCGS
定格発電出力:700kW

CGS発電出力

補機動力

CGS本体

温水循環ポンプ

冷却塔ファン

冷却塔ポンプ

合計

冬期

電力

700W

17.4W

11.1W

0.4W

3.3W

32.2W

発電出力比

-

2.5%

1.6%

0.1%

0.5%

4.6%

中間期

電力

700W

22.4W

11.1W

2.9W

3.4W

39.8W

発電出力比

-

3.2%

1.6%

0.4%

0.5%

5.7%

夏期

電力

700W

22.6W

11.0W

4.2W

3.3W

41.1W

発電出力比

-

3.2%

1.6%

0.6%

0.5%

5.9%

G.4 CGSが間欠運転する場合の最大稼働時間

表 54. 定数
定数名 説明 単位

\(T_{ STn }\)

CGSが間欠運転する場合の最大稼働時間

h/日

14

既往調査 [3] により行われたアンケート調査で回答があった77件のCGS導入建物におけるCGSの時間帯別稼働率を分析し、 表 55 を得た。 表 55 では全用途平均及び主要用途の集計結果を示している。 建物用途ごとに多少の違いはあるが、夏期の平日にはおおよそ8時から19時のCGS稼働率が高い。 最も運転時間が長い病院では夏期の平日の平均運転時間が14時間程度となっている。 ホテルは他の用途と運転時間帯の傾向が大きく異なるが、運転時間は11時間程度となっており、運転時間で見れば他の用途と大差ない。

また、別途実施されたシステム設計者へのヒアリング調査では、CGSの耐用年数を15年~20年と想定し、その中で耐用運転時間数(機器ごとに異なるがおよそ60000時間程度)を割り当てると年間の運転時間は3000~4000時間程度が目安となるとの設計思想が示されている。 アンケート調査の結果とヒアリング調査の結果を踏まえて、休日や中間期などで負荷が小さい日にはCGSを稼働しない、または運転時間が短くなることを想定すると、1日の最大運転時間は14時間程度と考えるのが妥当であると判断し、建物用途によらず \(T_{ STn } = 14\) と設定した。

表 55. 全建物用途のCGU時間帯別稼働率(n=77)
全建物用途のCGU時間帯別稼働率

G.5 排熱投入型吸収式冷温水機の排熱利用時のCOP

表 56. 定数
定数名 説明 単位

\(f_{ COP, link, hr }\)

排熱投入型吸収式冷温水機の排熱利用時のCOP

-

0.75

排熱投入型吸収式冷温水機のメーカーより提示された2機種の排熱投入可能率とガス消費量の削減率(図 5図 6)から排熱のみで冷熱製造を行っている場合のCOPを算出したところ、0.79~0.82程度の数値となった。そのため、 \(f_{ COP, link, hr } = 0.75\) と設定した。

排熱投入可能量の特性(機器A)
図 5. 排熱投入可能量の特性(機器A)
排熱投入可能量の特性(機器B)
図 6. 排熱投入可能量の特性(機器B)

G.6 運転判定基準必要電力比率および運転判定基準必要排熱比率

表 57. 定数
定数名 説明 単位

\(f_{ eopeMn }\)

運転判定基準必要電力比率

-

0.5

\(f_{ hopeMn }\)

運転判定基準必要排熱比率

-

0.5

運転判定基準必要電力比率は、定格発電出力に対してどれだけの電力負荷があればCGSの運転を行うかを表す。 運転判定基準必要排熱比率も同様に定格排熱回収量に対してどれだけの熱負荷があれば運転を行うかを表す。 負荷が小さいときに運転を行うかどうかの判断は、建物ごとに異なり、現場の運転管理者に判断が委ねられることが多い。 そのため、どの建物にも適用できる一律の数値を設定することが難しいが、JIS B 8122におけるCGSの性能試験方法において負荷率50%での試験が示されており、実運用でも50%程度の部分負荷で運転を行う建物が散見されることから \(f_{ eopeMn } = 0.5\) 、 \(f_{ eopeMn } = 0.5\) と設定した。

G.7 CGSによる電力負荷の最大負担率

表 58. 定数
定数名 説明 単位

\(f_{ elmax }\)

CGSによる電力負荷の最大負担率

-

0.95

現状では、電力負荷のすべてをCGSの発電により賄う制御は行わず、一部は必ず買電を行う制御を導入して、逆潮流が発生しないようにする運用が一般的となっている。 CASCADEⅢ [6] においては、年間のピーク電力の5%分は買電量として確保する設定がデフォルトとなっている。 これを参考に本プログラムでは、電力負荷のうち5%は少なくとも買電を行うものと想定し、 \(f_{ elmax } = 0.95\) と設定した。

G.8 排熱投入型吸収式冷温水機の定格運転時の排熱投入可能率(定格条件)および排熱投入型吸収式冷温水機が排熱のみで運転できる最大負荷率(定格条件)

表 59. 定数
定数名 説明 単位

\(f_{ link, rated, b }\)

排熱投入型吸収式冷温水機の定格運転時の排熱投入可能率(定格条件)

-

0.15

\(f_{ link, min, b }\)

排熱投入型吸収式冷温水機が排熱のみで運転できる最大負荷率(定格条件)

-

0.3

これらの数値についてはCASCADEⅢ [6] におけるデフォルト値を採用した。

G.9 排熱温度による排熱投入可能率の低下率

表 60. 定数
定数名 説明 単位

\(f_{ link, down }\)

排熱温度による排熱投入可能率の低下率

-

0.125

既往調査 [3] による2件の実測値では、排熱投入型吸収式冷温水機の排温水入口温度として 図 7 に示す分布が得られている。 2件の実測値では、いずれも排熱投入型吸収式冷温水機の定格入口温度よりも実際の入口温度は低い状況である。 建物ID04は排熱投入型吸収式冷温水機2台が連続して接続されており、1台目で利用された後の排温水が2台目に投入される方式となっていることも排温水の入口温度が機器の定格値より低い要因と考えられる。 これらの結果から排熱投入型吸収式冷温水機の排温水入口温度は定格値よりも少なくとも2℃程度は低下しているものと考えた。 そこで、排熱投入型吸収式冷温水機の排温水入口温度が2℃低下した場合の排温水投入可能量についてメーカー2社の特性を調べた。 温度低下による影響がより大きかった機器の特性を 図 8 に示す。 図に示すとおり排温水温度が2℃低下することにより、負荷率1.0の時では排熱投入可能量が12.5%低下している。 このことから \(f_{ link, down } = 0.125\) と設定した。

排熱投入型吸収式冷温水機の排温水入口温度の分布
図 7. 排熱投入型吸収式冷温水機の排温水入口温度の分布
排熱投入型吸収式冷温水機の排熱投入可能量特性
図 8. 排熱投入型吸収式冷温水機の排熱投入可能量特性

G.10 他の設備の計算結果の読み込み

G.10.1 日積算消費電力(一次エネルギー換算)

空気調和設備、機械換気設備、照明設備、給湯設備、昇降機、効率化設備(太陽光発電)、その他の各項目について、以下の通り日積算消費電力を出力する。 これらはコージェネレーションの電力負荷を算出するために必要となる。

  • 空気調和設備 \(E_{ AC, total, d }\)

    次の4つの日積算値 [MWh/d] を出力する。

    1. 空調機群の電力消費量(MWh)\(E_{AC, ahu, i}\)

    2. 二次ポンプ群の電力消費量(MWh)\(E_{ AC, pump, i }\)

    3. 熱源群主機の電力消費量(MWh)\(E_{ AC, ref, i }\)

    4. 熱源群補機の電力消費量(MWh)\(E_{ AC, ref, sub, i }\)

    ただし、以下の点に留意する。

    • 熱源群主機の一次エネルギー消費量 \(E_{AC, ref, i }\) (式2.1.98/ [5] p191)についてはエネルギー源を電力とする熱源機のみを対象とし、その他のエネルギー源による熱源機の一次エネルギー消費量は積算の対象外とする。

    • 様式7-3「⑪排熱利用する空調熱源群名称(温熱源)」で指定した温熱源システム群にある主機の電力消費量については積算の対象外とする。

      これは、排熱利用によって温熱負荷を賄った場合に、排熱利用する温熱源システムの主機の一次エネルギー消費量が削減されるため、この分の電力をコージェネレーションの電力負荷として見込むと電力負荷を大きく見込みすぎる可能性があるためである。

  • 機械換気設備 \(E_{ V, total, d }\)

    機械換気設備の電力消費量(MWh)\(E_{ v }\) (式2.2.1/ [5] p283)を日単位に分解した日積算値の一次エネルギー消費量を出力する。

    • 日単位への分解時には平日と休日で運転スケジュールが規定されているものについてはそれに従い、年間での運転時間が規定されているものについては年間積算値を年間日数で除して1日分の値とする。

  • 照明設備 \(E_{ L, total, d }\)

    照明設備の電力消費量(MWh) \(E_{ L }\) (式2.3.1/ [5] p295)を日単位に分解した日積算値の一次エネルギー消費量を出力する。

    • 日単位への分解時には平日と休日で運転スケジュールが規定されているものについてはそれに従い、年間での運転時間が規定されているものについては年間積算値を年間日数で除して1日分の値とする。

  • 給湯設備 \(E_{ W, total, d }\)

    給湯設備(エネルギー源を電力とする給湯機器のみが対象)の電力消費量(MWh)\(E_{ w }\) (式2.4.1/ [5] p306)を積算した値を日単位に分解した日積算値の一次エネルギー消費量を出力する。

    • 日単位への分解時には年間給湯日数が365日の室に由来するエネルギー消費量については365で除し、それ以外の室で年間給湯日数と室使用パターン1の年間日数が一致するものは給湯設備の年間一次エネルギー消費量をその日数で除したエネルギー消費が室使用パターン1の日にあるものとする。そうでないものは給湯設備の年間一次エネルギー消費量を年間給湯日数で除したエネルギー消費が室使用パターン1と室使用パターン2の日にあるものとする。

    • 様式7-3「⑫排熱利用する給湯機器名称」で指定した給湯機器の燃料種類が電力の場合、この機器の一次エネルギー消費量は積算の対象外とする。

      これは、排熱利用によって給湯負荷を賄った場合に、排熱利用する系統と同じ系統にある給湯機器の一次エネルギー消費量が削減されるため、この分の電力をコージェネレーションの電力負荷として見込むと電力負荷を大きく見込みすぎる可能性があるためである。

  • 昇降機 \(E_{ EV, total, d }\)

    昇降機の電力消費量(MWh)\(E_{ EV }\) (式2.5.1/ [5] p314)を日単位に分解した日積算値の一次エネルギー消費量を出力する。

    • 日単位への分解時には昇降機の年間運転時間 \(T_{ EV, i }\) ( [5] p316)の計算に合わせて、昇降機が「主にサービスを提供する室」の室用途の標準使用条件における年間照明点灯時間の割り付けと同一とする。つまり「主にサービスを提供する室」の照明用一次エネルギー消費量を日単位に分解した際と同様の日に昇降機の消費電力を割り付ける。

  • 効率化設備(太陽光発電)\(E_{ PV, total, d }\)

    太陽光発電設備による発電量における自己消費量 \(E_{ PV_consumption }\)(式2.6.5・式2.6.6/ [5] p327)の日積算値を出力する。

  • その他 \(E_{ M, total, d }\)

    その他の電力消費量(MWh)\(E_{ M }\) (式3.6.1/ [5] p402)を日単位に分解した日積算値の一次エネルギー消費量を出力する。日単位への分解は各室用途の機器発熱のスケジュールに従う。

G.10.2 排熱利用する排熱投入型吸収式冷温水機(吸収式冷温水機(一重二重併用形))の主機の日積算一次エネルギー消費量(冷熱源群)\(E_{ AC, ref, c, d }\)

様式7-3「⑩排熱利用する空調熱源群名称(冷熱源)」に存在する次の熱源機種について、当該熱源主機の日積算一次エネルギー消費量 \(E_{ AC, ref, i }\) (式2.1.98/ [5] p191)を冷熱源システムとして稼働した期間のみ出力する。

ただし、「排熱利用する空調熱源群」に蓄熱槽がある場合、「追掛」運転用の熱源群について当該処理を行うこととする。

表 61. 機種とXMLの対応表

機種

XML

吸収式冷凍機(蒸気)

AbcorptionChiller_Steam

吸収式冷凍機(冷却水変流量、蒸気)

AbcorptionChiller_Steam_CTVWV

吸収式冷凍機(温水)

AbcorptionChiller_HotWater

吸収式冷凍機(一重二重併用形、都市ガス)

AbcorptionChiller_Combination_CityGas

吸収式冷凍機(一重二重併用形、冷却水変流量、都市ガス)

AbcorptionChiller_Combination_CityGas_CTVWV

吸収式冷凍機(一重二重併用形、LPG)

AbcorptionChiller_Combination_LPG

吸収式冷凍機(一重二重併用形、冷却水変流量、LPG)

AbcorptionChiller_Combination_LPG_CTVWV

吸収式冷凍機(一重二重併用形、蒸気)

AbcorptionChiller_Combination_Steam

吸収式冷凍機(一重二重併用形、冷却水変流量、蒸気)

AbcorptionChiller_Combination_Steam_CTVWV

G.10.3 排熱利用する排熱投入型吸収式冷温水機(吸収式冷温水機(一重二重併用形))がある冷熱源群の代表負荷率 \(mxL_{ AC, ref, c, d}\)

様式7-3「⑩排熱利用する空調熱源群名称(冷熱源)」の代表負荷率 \(mxL_{ AC, ref, i(m,n) }\) (式2.1.91・式2.1.93/ [5] p189)を日別に出力する。

ただし、「排熱利用する空調熱源群」に蓄熱槽がある場合、「追掛」運転用の熱源群について当該処理を行うこととする。

G.10.4 排熱利用する温熱源群の主機の日積算一次エネルギー消費量 \(E_{ AC, ref, h, hr, d }\)

様式7-3「⑪排熱利用する空調熱源群名称(温熱源)」の熱源群の主機の日積算一次エネルギー消費量 \(E_{ AC, ref, i }\)(式2.1.98/ [5] p191)を温熱源システムとして稼働した期間のみ出力する。

  • 燃料種別によらず対象熱源群にある全ての熱源機を積算対象とする。

ただし、「排熱利用する空調熱源群」に蓄熱槽がある場合、「追掛」運転用の熱源群について当該処理を行うこととする。

G.10.5 排熱利用する温熱源群の熱源負荷 \(q_{ AC, ref, h, hr, d }\)

様式7-3「⑪排熱利用する空調熱源群名称(温熱源)」の温熱源群の熱源負荷 \(Q_{AC, ref, i, d }\) (式2.1.86/ [5] p184)を日別に出力する。

ただし、「排熱利用する空調熱源群」に蓄熱槽がある場合、「追掛」運転用の熱源群について当該処理を行うこととする。

G.10.6 排熱利用する給湯系統の一次エネルギー消費量 \(E_{ W, hr, d }\)

様式7-3「⑫排熱利用する給湯機器名称」の給湯機器の給湯設備の年間一次エネルギー消費量 \(E_{ w }\) (式2.4.1/ [5] p306)を日単位に分解した値を出力する。

  • 日単位への分解の方法は、「①日積算消費電力(一次)」で記載した給湯の項目と同一とする。

G.10.7 排熱が利用できる系統の給湯設備の給湯負荷 \(q_{ W, hr, d }\)

様式7-3「⑫排熱利用する給湯機器名称」の給湯機器の年間給湯負荷 \(Q_{ wr, i }\) (式2.4.2/ [5] p306)を日別に出力する。

G.10.8 日積算空調運転時間(冷熱源群) \(T_{ AC, c, d }\)

様式7-3「⑩排熱利用する空調熱源群名称(冷熱源)」の熱源群を冷熱の熱源群名称として様式2-7.(空調)空調機入力シートで指定している空調機群の冷房運転時間 \(T_{ AC, ahu, c, i, d }\)(式2.1.57~61/ [5] p173)を日別に出力する。

ただし、「排熱利用する空調熱源群」に蓄熱槽がある場合、「追掛」運転用の熱源群について当該処理を行うこととする。

G.10.9 日積算空調運転時間(温熱源群) \(T_{ AC, h, d }\)

様式7-3「⑪排熱利用する空調熱源群名称(温熱源)」の熱源群を温熱の熱源群名称として様式2-7.(空調)空調機入力シートで指定している空調機群の暖房運転時間 \(T_{ AC, ahu, h, i, d }\)(式2.1.62~64/p174)を日別に出力する。

ただし、「排熱利用する空調熱源群」に蓄熱槽がある場合、「追掛」運転用の熱源群について当該処理を行うこととする。

G.11 係数 \(f_{ eopeHi }\) (建物の運用時間帯と比運用時間帯の平均電力差)の算出方法

1) 計算対象建築物に存在する室用途について、時々刻々の①空調運転スケジュール、②照明発熱スケジュール、③機器発熱スケジュールを取得する(8760×1の行列)。
* 使用するデータベース ROOM_COND.csv
* 空調運転スケジュール(小数もあり)については、0より大きければ「1」、0であれば「0」とする。その他のスケジュールは小数も可とする。

2) 計算対象建築物に存在する全ての室について、次の時刻tの床面積重み付けスケジュール(8760×1の行列)を算出する。

様式1に記載のある室のうち「空調計算対象室」について、

\[Sawt_{ac}(t) = \sum (当該室の室用途の時刻tの空調運転スケジュール \times 当該室の床面積 )\]

様式1に記載のある室のうち「照明計算対象室」について、

\[Sawt_{lt}(t) = \sum (当該室の室用途の時刻tの照明運転スケジュール \times 当該室の床面積 )\]

様式1に記載のあるすべての室について、

\[Sawt_{oa}(t)= \sum (当該室の室用途の時刻tの機器発熱スケジュール \times 当該室の床面積 )\]

3) 上項で求めた時刻別のスケジュールを元に、各日の積算値を1とした比率を算出する(8760×1の行列)。

\[rSawt_{ac}(t) = \begin{cases} 0 & , Sawdsum_{ac}(d) = 0 \\ \frac{ Sawt_{ac}(t) }{ Sawdsum_{ac}(d) } & , \mbox{その他} \end{cases}\]
\[rSawt_{lt}(t) = \begin{cases} 0 & , Sawdsum_{lt}(d) = 0 \\ \frac{ Sawt_{lt}(t) }{ Sawdsum_{lt}(d) } & , \mbox{その他} \end{cases}\]
\[rSawt_{oa}(t) = \begin{cases} 0 & , Sawdsum_{oa}(d) = 0 \\ \frac{ Sawt_{oa}(t) }{ Sawdsum_{oa}(d) } & , \mbox{その他} \end{cases}\]

ここで、
\(Sawdsum _{ac}(d)\) : 日付dの \(Sawt_{ac}(t)\) の積算値(各日の1〜24時の値を積算した値)
\(Sawdsum _{lt}(d)\) : 日付dの \(Sawt_{lt}(t)\) の積算値(各日の1〜24時の値を積算した値)
\(Sawdsum _{oa}(d)\) : 日付dの \(Sawt_{oa}(t)\) の積算値(各日の1〜24時の値を積算した値)

4) 計算対象建築物全体の日付dの時刻tにおける電力消費量 \(Et_{ele}(t)\) を算出する(8760×1の行列)。

\[\begin{eqnarray*} Et_{ele}(t) & = & Eac_{ele}(d) \times rSawt_{ac}(t) \\ & \quad & + \frac{ Ev_{ele}(d) }{ 24 } \\ & \quad & + Elt_{ele}(d) \times rSawt_{lt}(t) \\ & \quad & + \frac{ Ehw_{ele}(d) }{ 24 } \\ & \quad & + \frac{ Eev_{ele}(d) }{ 24 } \\ & \quad & + Eoa_{ele}(d) \times rSawt_{oa}(t) \end{eqnarray*}\]

ここで、
\(Eac_{ele}(d)\):日付dにおける空気調和設備の日積算電力消費量 [MWh/day]
\(Ev_{ele}(d)\):日付dにおける機械換気設備の日積算電力消費量 [MWh/day]
\(Elt_{ele}(d)\):日付dにおける照明設備の日積算電力消費量 [MWh/day]
\(Ehw_{ele}(d)\):日付dにおける給湯設備の日積算電力消費量 [MWh/day]
\(Eev_{ele}(d)\):日付dにおける昇降機の日積算電力消費量 [MWh/day]
\(Eoa_{ele}(d)\):日付dにおけるその他の日積算電力消費量 [MWh/day]

5) 日付dについて、係数 \(f_{eopeHi}(d) \) を算出する。

\[Et_{ele,day}(d) = \sum_{t=7}^{20}Et_{ele}(t) - Epv_{ele}(d)   (Σは7〜20時までの積算)\]
\[Et_{ele,night}(d) = \sum_{t=1}^{6} ΣEt_{ele}(t)+ \sum_{t=21}^{24} ΣEt_{ele}(t)(Σは1〜6時、21〜24時までの積算)\]
\[f_{eopeHi} (d) = \begin{cases} 1 & , Et_{ele,day}(d) = 0 \\ 100 & , Et_{ele,night}(d) = 0 \\ \frac{ Et_{ele,day}(d) }{ Et_{ele,night}(d) } & , \mbox{その他} \end{cases}\]

ここで、
\(Epv_{ele}(d)\):日付dにおける太陽光発電設備の日積算発電量 [MWh/day]
であり、

\[1 \leqq f_{eopeHi} (d) \leqq 100\]

とする。